2017年1月3日火曜日

この世界の片隅に

「よかった」という言葉とともにフラッシュバックする光景。全部、全然よくなかった。
「いやなことがあった」でも、それよりももっと悪い状況になった可能性も考えられるがそうじゃないから「よかった」って。なんだそれ。って日常でもよくこの言い回しを使う。前向きな考え、前向きな言葉。その考え方自体を全部否定するのでは全くないし。とてもいいことだと思う。そこはちゃんと言ったうえで、この映画の「よかった」は辛すぎる。たとえるなら、となりのトトロをみて、昔の光景、電話があまりなくてとか不便だったとか、でものどかでいい時代だったとか、懐かしいね、面白い映画だったねとか、そんな感想が出てきそうな映画で、作った人もそれを狙ったのだろう。好きか嫌いかはあるけど、まあ、まあ、そういう映画もいいね。
なんて感想だったりすると思うのですが、となりのトトロは。
そして、この世界の片隅には、そんな感じの映画でくくることもできる。なんて、荒っぽいことを言ってみます。
でも、そうじゃないでしょ。
という理由を考えると、
全部、戦争の悲惨さ。戦争の残酷さ。戦争の野蛮さ。戦争がすべて悪い。となるよ。

この映画で見た光景が実際に起きるんだよ。それでも「戦争は必要」とかいう人は信用しない。どんな理由をつけたとしても、なので「戦争は必要」とかいう人は信用しない。

天皇陛下の言葉「年頭に当たり我が国と世界の人々の平安を祈ります」

これだよ。自分の平安だけじゃだめ。我が国の平安だけじゃだめ。世界の人々の平安も必要。すごく的確。

戦争をやろうとする、政治家と、それを支持する人は、戦争しか手段を見いだせない無能か、「この世界の片隅に」の光景を見ても、何も感じない悪魔の心。わかりやすい言葉でいうとね。